ニューアルバムクロニクル その16

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歌詞を書くために、
今回は特に様々なアプローチを
試んでみました。曲と歌詞と作るなら
どちらが苦手?と言われたら、
実は迷わず「歌詞」と答えてしまいます。


20代の頃は細かなディテールにこだわりすぎて
曲としての言いたいこと、や「起承転結」に欠ける部分が多く
大抵同じパターンの曲ができあがることが多かったように思います。
他のシンガーソングライターの人たちともこの話をすると、
大抵みなさん心当たりがあるとおっしゃいます。
同じところから抜けきれない壁が毎度毎度やってきて
「もぅ書きたくないなぁ」と思ったことは数知れません。

今回のアルバムの中で自作の9曲のうち(2曲はカバーなので)
歌詞が先なのもあれば、作詞と曲が同時というものもあります。
はたまたバンドのレコーディングが終わった後で
野力さんのオルガンと渡嘉敷さんのリズムに触発されて、それまでを
全取っ替えして書き直したものもありました。
どうしても春風を思い起こすサウンドだったのです!
(聴いたらすぐわかるかなぁ…当ててください・笑)

あと、これは思いのほか成功した方法なのですが
起承転結をブロックごとに区切って、
第一ブロック:起 → ○○と○○が出会う /夜/ 場所は渋谷
とかって、それぞれ展開を箇条書きにしてまるでドラマの脚本のように
あらかじめ細かく設定をしておくと、途中で言いたいことがブレずに、そして
ディテールだけにこだわって終わることが少なかったように思います。
つれづれ〜なるままに書いて成功する曲もありますが、
大抵は計画的なものがないと、独りよがりで終わってしまうことも多かったです。

譜面を起こすことも同じで、先日ラジオで筒美京平さんが
このようなことをおっしゃっていました。
「作曲をしたら一度譜面に起こしてみると、
 自分の作品を客観的に見ることが出来るよ、と若い人に勧めてます。」
演奏するためだけの記号だけでなく、
確かに、小節数やメロディーの動きも一目瞭然で理解できますし、
それに「あ、この部分要らないなぁ」と整理もできます。
やや面倒くさいと感じることも、急がば回れ、で
コツコツとが大事なんですね(泣)。

by michikies | 2008-02-15 23:34 | アルバムクロニクル